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京都大学戦争遺跡研究会(2017-)

 戦争遺跡研究会は、主に戦争の記憶を後世に継承するための活動に取り組んでいます。活動内容は、戦争体験者からの聞き取りや、「戦争遺跡」と呼ばれる明治~昭和までの戦争に関する遺構の調査研究などです。現在、各地の教育委員会や郷土史家、戦友会、有志の方々などのご協力を頂いて「戦争遺跡アーカイブ」を作成中です。本サイトでは我々の活動の一部を公開させて頂きます。ご質問ご意見はyuki0118(アットマーク)gmail.comまでお願いします。2016年以前の活動はこちら→http://senseki3.kyotolog.net/ ツイッター @sensenki3

太刀洗陸軍飛行学校菊池教育隊 菊池(花房)飛行場 

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太刀洗陸軍飛行学校菊池教育隊 菊池(花房)飛行場 


「太刀洗陸軍飛行学校菊池教育隊」は、熊本県菊池市(現)富の原区に昭和十年より着工し、十五年に完成しました。その後、太刀洗航空廠、航空通信学校、陸軍病院も併設され、県下最大規模の軍事基地へと拡張された。昭和二十年五月十三日に米機による空襲を受け、三十数名が犠牲になっています。
 現在も県の文化遺産に指定された給水塔をはじめ、弾薬庫や油槽庫など多数の遺構が残っているが、そのほとんどが個人所有であるため近いうちに消滅する可能性があります。菊池市側は保存に関してほぼノータッチであり、地元住民の尽力でなんとか保存活用がなされているという現状です。
 この度、「花房(菊池)飛行場の戦争遺産を未来に伝える会」代表の倉沢泰氏、並びに事務局長にご案内して頂いきました。お忙しいところ、誠にありがとうございました。

▽昭和四十七年頃の菊池飛行場(USA-M100-113)
 
左側の敷地は通信学校。

▽現在の菊池飛行場付近


▽現存する遺構

個人の敷地にあるものが多いので、無断で侵入しないようお気をつけ下さい。


▽木造格納庫の擁壁

保存会が説明版を設置したが、遺構の大部分は個人所有のため今後も残っていくかは不明だ。
現在も地元住民の理解を得られるよう尽力されている。

▽揮発油庫

戦後間もなくはこの倉庫に大勢の家族が入植していました。




▽弾痕


▽鉄の扉もそのままだ


▽南側の壁が一部撤去されています。



▽油倉庫


▽給水塔


▽市が設置した説明版


▽右側の白い石碑が「開隊記念碑」


▽正門跡
 

▽当時の正門


▽立哨所跡


▽格納庫跡


▽空襲で破損した箇所


▽飛行場時代からの銀杏の木

堂々たる姿

▽富の原保育園内にある門柱

富の原保育園は、教育隊の医務室を利用して創められました。

▽反対側のものをこちらに移築したので、向きが違っています。


▽慰霊碑

現在も慰霊祭が行われています。この慰霊碑は倉沢氏が私費を投じて新たに立て直されました。頭が下がります。


志半ばで敵弾に斃れた少年飛行兵の名前が刻まれています。

▽これも元少年飛行兵に寄贈されたものです

県外から遠く熊本の地で亡くなられた方々は、当時まだ15、16歳の少年であった。
残念なのは、戦死者の数も氏名も未だ全員分が明らかではないということです。

▽倉沢泰氏(御歳九十六歳)

倉沢氏自身の半生も語って頂くことが出来ました。
コチラも是非目を通していただきたいと思います。
高射第四師團 倉沢泰中尉

▽憲兵隊跡地。現在もポンプ室が残っています。

戦後は病院の看護婦さんの寮として使用されました。


▽菊池歴史文化資料館


尚、隣の泗水町には菊池飛行場資料館があり、事前に連絡すれば、ガイドをして頂けます。現在企画展「義烈空挺隊と健軍飛行場展」を開催中で、貴重な資料等は一見の価値ありです。「花房(菊池)飛行場の戦争遺産を未来に伝える会」は、倉沢泰氏(96)を中心として、非常に精力的に平和教育に取り組んでおられます。
▽産経新聞でも紹介されています。
熊本・菊池飛行場ミュージアム「義烈空挺隊と健軍飛行場」展示会


▽戦意高揚を企図して台湾より持ち帰られた木製プロペラ

兵器そのものを持ち出すことはできなかったので、輸送の際に片側のプロペラが切断されました。

▽合板でできていることが分かります。


▽九十九式高等練習機の車輪


▽三式戦闘機(?)の車輪
  
戦後もリヤカーのタイヤとして利用されていました。

▽倉沢氏にご説明していただいた。


▽教育隊で使用されていた机と椅子です


▽現在義烈空挺隊展を開催中




ご協力いただきました皆様、誠にありがとうございました。
交通の便はあまりよくありませんが、ぜひ足を運んで現地を見学することをお勧めします。
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